2022年度 一般社団法人 富士青年会議所
理事長 稲葉 大輝
【はじめに】
青年会議所に限らず、各種団体は「個」の集合体である。その中で20歳から40歳までという期間を区切っている点が青年会議所の一つの特徴である。私はこの40歳までという貴重な時間をどのように使うかが重要だと感じている。この時間を漫然と過ごすのか、それとも常に学ぶ姿勢でアンテナを張り、様々なことを体験、吸収して、積極的に挑戦するのか。
「チャンスに出会わない人間は一人もいない、それをチャンスにできなかっただけである。」実業家で鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーの言葉である。青年会議所にただ所属しているだけではなにも得るものはない。どんな活動でも何かに活かせる要素はある。それを汲み取るのか、そのまま見過ごすのか。その機会を活かせるかどうかも選択しているのは常に自分自身だ。ある先輩は「できるかできないかではなく、やるかやらないかだ。」とおっしゃった。その立場に立つと初めて分かること、初めて見える景色が多分にあるこのJC活動で、理事長という成長の機会を与えていただいたことに感謝し、この職務を全うする。
「明るい豊かな社会」を築くために同志として共に活動するメンバーは、それぞれの強みを活かし、昨日より今日、今日より明日と、自分自身の可能性を信じて共に挑戦していこう。メンバー同士、切磋琢磨していくその過程で自然と絆が深まり、「個」の集まりが組織として一丸となると信じている。より良い未来を
切り拓こう。
【渉外・広報委員会】
繋がりを拡げ、更なる発信を。
人と人との繋がりは相乗効果を生み、化学反応をも起こす。富士青年会議所内での関わりや、出向制度による他の地域との関わりを意識することは重要である。なぜなら自分たちや置かれている状況を俯瞰的に見ることができるからだ。不安を抱える出向者をサポートし、出向者が他者や他の地域との関わりから得た学びを富士青年会議所に還元できるような体制を整えることを期待している。また、広報はただの自己満足に終わらぬよう有意義な発信をしていくことも必要だ。あらゆる情報ツールを活用して発信も戦略的に行っていこう。
【まちの未来創造委員会】
希望あふれるまちづくりを。
このまちの未来を支えていくのは今を生きる私たち若い世代だ。青年経済人という名の通り、20歳から40歳までは経済活動が活発になり、将来に向けての土台作りをする世代である。しかし、ここ富士市ではその若い世代がまちから流出してしまう現実もある。そうした課題も意識し、魅力あふれる事業を行っていけば自然とまちが活性化すると信じている。人と人、そして地域との関わり。それぞれの関わりが繋がり、輪を広げる。我々富士青年会議所がまちのニーズを捉え、明るい未来を創造するきっかけとなれるような活動・運動を行っていこう。
【青少年育成委員会】
子どもが持つ無限大の可能性を引き出そう。
本来であれば様々な体験や経験を積み重ね、将来に向けて人格形成をしていく多感な時期を過ごすはずが、新型コロナウイルスにより生活様式も変わってしまい、その機会が失われている。しかし、柔軟に対応することができるのも子どもたちの強みだと思う。制限された生活の中でも新しい発想で、視野を広げることができれば未来はさらに明るく、拓けていくものと信じている。将来、持続可能な社会を担っていくのは間違いなく今を生きる子どもたちであり、その子どもたちの輝く個性を引き出せるような事業展開を期待する。
【会員交流国際委員会】
過去から現在、そして未来へ繋ぐ。
単年度制というルールはあるものの、諸先輩方が想いを繋いできてくださったおかげで今がある。姉妹締結を結んでいる江西青年会議所との絆も今年35年目を迎える。民間交流ならではの絆の深め方もあるのではないだろうか。メンバー同士が顔を合わせて交流する機会も制限されている状況ではあるが、新たなパートナーシップも活かして活動することによりその影響力が伝播し、また新たな交流を生む。蒔いた繋がりの種はやがて社会的資本となる絆の花を咲かせる可能性を秘めている。繋がりの種を蒔こう。
【65周年担当委員会】
同志と共に、未来への一歩を踏み出す。
今年度、富士青年会議所は65周年という節目の年を迎える。入会歴が浅いメンバーも増えてきている現状はあるが、周年は諸先輩方がどのような想いで活動してこられたか、その歴史や伝統を振り返るいい機会となる。しかし、今を生きる私たちは振り返ってばかりではなく、未来に向けて歩み続けなければならない。そこには今所属しているメンバーはもちろん、共に想いを受け継いでいく新たなメンバーを増やしていく必要もある。今、この瞬間にも時は刻まれ、未来は切り拓かれている。同志と共に新たな一歩を踏み出そう。
【事務局】
内務体制をより盤石なものにし、持続可能な組織運営をする。
青年会議所とはその名の通り、会議体である。事業や各会合を行うにも理事会議で審議を得たものでないと実行はできない。青年会議所として行われるものすべてに会議が必要であり、その礎となるのが定款であり、事務局である。今では定着化したオンライン会議も、やはり対面での会議と比べると緊張感が薄れるなど、設営の難しさもある。そうした中でも培ってきた経験と技術を活かし、滞りなく会議体を運営できるような体制づくりを期待している。
また、新型コロナウイルスの影響で生活様式やそれぞれの価値観、組織の運営方法なども変わってきている。「大変」な状況ではあるが、このような時だからこそ「大きく変われる」チャンスでもある。守るべきものは遵守しつつも変化に柔軟に対応していこう。
【結びに】
青年会議所に入会した目的は人それぞれあると思うが、「人脈づくり」「自己成長」などが多く挙げられる回答ではないだろうか。私自身も入会させていただいた当初は例外ではなく、そう答えていた。当初はわけ
もわからず参加するだけだったが、そのうちに参加する理由が変わっていったように思う。人脈づくりや自己成長というのはあくまで「自分のため」だが、JAYCEEとして活動しているうちにいつのまにか支えたいと思う「誰かのため」、より良くなってほしいと想う「まちや社会のため」など、ベクトルが変わっていた。
それは自分一人で得られた意識改革ではなく、地域で活躍されている諸先輩方との交流や、青年会議所活動をする中で仕事や家庭を持ちながらも一生懸命、時間と労力を割いていたメンバーの姿を見てきたからだと思う。自分ではない誰かのために一生懸命活動しているメンバーを見て、またその人を支えたいと思う
メンバーが後に続く。そうした想いが脈々と受け継がれている。
他者との関わりの中からアイデアが生まれ、新たな挑戦を始めるメンバーもいる。漫然とただ参加しているだけでは得るものは少ないだろう。同じ会費を払い、同じ時間を使うのであれば、より多くの関わりを持ち、より多くの学びを得たいと私は思う。その貴重なお金と時間をどう活かすか。
No Pain,no gain.痛みなくして得るものなし。富士青年会議所は常にアンテナを張りチャンスを掴む眼を養い、そのチャンスを活かせる場であってほしい。
失敗を恐れず挑戦し、挑戦することで新しい経験ができて成長もできる。失敗してもいい、大事なのはそこから何を学び何を得るか、次にどう活かせるかだ。
そうした個々の力を互いに切磋琢磨し高め合い、まちのためにより良い活動・運動をしていくことが、社会の課題を解決し、持続可能な地域づくりとなる。
共に学び、共に歩み続けよう。
【基本理念】
共に学び、
持続可能な地域を創る
【基本方針】
◆全員拡大
◆時代に即した広報戦略
◆まちのニーズを捉えた未来に繋がる事業の展開
◆子どもたちの可能性を引き出し、未来に繋がる事業の展開
◆絆を深め、より強固なものにする
◆記憶に残る創立65周年、姉妹締結35周年とする
◆組織運営を盤石なものにし、更なる強化を図る
【LOMスローガン】
新たな一歩が拓く道
未来に種を蒔こう!!